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エピローグ
次に僕が目を開くと、再び眩しい『光』が目に飛び込んで来た。よく見るとそこは病室のベッドの上で、僕は天井のLEDライトを見つめていた。窓の外から眩しい太陽の『光』が差し込んでいる。
起き上がって自分の身体を見ると、右足に包帯が巻かれ固定されていて動かない。他は大きな怪我は無い様だ。
病室のドアが開き、朱莉が入って来た。
「裕翔君。目、覚めた?」
僕は大きく頷いた。
「ああ、朱莉さん。ありがとう。お陰で助かったよ」
「えっ? 私が助けたの覚えているの?」
「ああ、君が心肺蘇生をしてくれているのを外から見てた・・気がするんだ」
首を傾げて僕の言葉を聞いていた朱莉が目を大きく開いた。
「・・私も、貴方がカールスバッドで助けてくれた時・・同じ体験をしたわ・・。自分の身体の外に浮かんで、貴方が心肺蘇生をしてくれているのを『光』の中で見ていた・・。あの時、貴方がどんなに一生懸命私を助けてくれたのか・・私、覚えている」
僕も大きく目を見開いた。
「えっ? 君も・・同じ・・? あの『光』に包まれた体験を?」
朱莉が大きく頷く。
「そう。でも気付いたらアルバカーキの病院のベッドの上だったの。貴方には連絡先も聞いていなかったから・・。ずっと探していたんだけど・・見つけることが出来なくて・・。逢って・・お礼・・言いたかったの。でも、良かった・・こんな形だけど逢えて・・」
彼女は嬉しそうに笑顔を浮かべている。
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