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“__何ていうか、素朴だよね”
と、蔑むような目で言われた言葉と“ダサい”が同義語だということを理解するまでには、そう時間はかからなかった。
良くも悪くも面と向かって本音しか言わない人達の中で育った私には、陰口も遠回しな嫌味もとても苦痛だった。
だけど私は、興味のないお洒落をして好きでもない生クリームのたっぷりとかかったスイーツを食べて都会に溶け込む努力をした。
この田舎には似つかわしくないネイルも化粧も努力の賜物だ。
「みんには、まだ友美ちゃんのことは話してないけど……」
「このまま、黙っていてもらえませんか?」
「え?」
と、呟いた先生の声が廊下に響く。
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