FRIENDS

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 子供も少なく、村に学校は一つしかない。  だから、小中高と階を分けただけで同じ学校に通っている。  それも小中高と各一クラスづつしかないこの村には、各学年に三クラス以上あるという東京の常識は通用しないのだ。 「東京から来ました木村友美(きむらともみ)です。よろしくお願いします」  カズチの言葉を無視して、白々しく頭を下げる。 「東京!? かっこいー!」 「え!? いいなー!」  と、目を爛々とさせるカズチとカヨチ。 「……東京」  と、その言葉にしっくりこないのか口を半開きにさせて固まるマミチ。  どうやら、みんな“東京”という言葉に気をとられ、私だということには気づいてはいないようだ。
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