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佐伯は真中からマフラーを受け取り、それをじっと見つめた。
「でもそれが真実だとしたら、このマフラーを棄てるにも使うにも、躊躇するな……。あの子を探して、返すなり棄てる許可をもらうなりできないかな?」
「そんな簡単に探せないだろ」
「でも駅で会ったってことは、普段からあの駅を使っているかもしれないし、駅で待ち伏せしてたら見つけられるかも」
「人相は覚えているのか?」
「うん、至近距離で真正面から見たからね」
「それじゃ、俺も行くわ。俺の推理の的確さを証明したいしな」
「いやー、ちょっと待って待って。男二人に待ち伏せされたら、その子怖がっちゃうって。ここは女の私が間に入るわ」
興味なさげだったくせに、やたらと乗り気で役を買って出るさゆこ。
二人は、たしかにさゆこの言うとおりだと思い、協力してもらうことにした。
そしてその日の退社後、三人は佐伯の最寄り駅に降り立ったのである。
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