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すると矢嶋が窓を一気に全開して、
「おーーーい!凜!!彼氏くーーーん!!」
と叫ぶと、歩道を歩いていた凛はギョッとして顔を真っ赤にして驚いていて、隣の千津は見知らぬ男を見て同じように動揺している。
「ビビらせるなよ」
と俺が言うと、
「いひひっ!」
と矢嶋は悪い笑顔で笑っている。
さあ。
坂井さんと雪子が、待ってる。
美夜と滋も、梨央と一緒に先に家に行って待っててくれてるだろう。後ろから、住宅街なのに猛スピードで俺の車を追い抜いて、坂井さんの家の前で急停止したクルマの助手席から、圭太がフラフラしながら降りてきた。
運転してるのは、芹那さんか。
そう思うと、俺はプッと吹き出した。
こうして、俺たちには集まれる場所がある。
坂井さんの家の近くにある小さなパーキングに車を入れて、俺と緋奈巳は車から降りると、先に降りていた矢嶋が振り向いて、
「おーい!祐!!」
と向こうで叫んだ。
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