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「凜〜!!」
都内にある短大のキャンパスで、私はゆっくりと振り向いた。
私は、梶原凜
今年、やっと高校を卒業して念願の大学生になった。本当は高卒で働きたかったけど、お父さんが「駄目だ」の一点張り。勉強は結構好きだったから成績は良かったし、英検も漢字検定も、エクセルとか受けられる資格は色々と受けて資格を取った。だから、お父さんは私が大学に行くものだと思い込んでいたらしい。でも、資格を取ったのは、そんな理由じゃない。
お父さんが、いつ、誰と再婚しても、自分の居場所が作れるようにしたかったんだ。別にもう、母親がいなくて寂しいなんて、思うことはない。欲しいわけでも、ない。なのに、お父さんはいつも、寂しそうだった。とくに、みんなが集まって騒いだ後は、なおさら。美夜お姉ちゃんと、滋おじさん、圭太お兄ちゃんと芹那さん、坂井さんと雪子お姉ちゃん。みんなで集まったとき、凄く楽しくて笑い合って、この時間が永遠に続いてほしいって思うほど。でも、時間はあっという間に過ぎて、夜になるとお父さんは寝室でお母さんの写真を見ながら何か、話している。
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