第1章 夢のつづき

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そんな時、こんなお父さんを誰でもいいから、支えてくれる人がいたらいいなって本気で思ったんだ。切なくなるから。泣きたくなるから。こないだ、圭太お兄ちゃんが芹那さんと結婚した時、見たこともないくらいの圭太お兄ちゃんの笑顔を見て、なおさら思った。 お父さんの笑顔を、見たいよ。幸せそうな、笑顔。私、見たいんだよ。 「ねぇ、凜、サークル、決めた?」 大学で話しかけてきたのは、中学から一緒の一番の仲良し、葉山(はやま)桃香(ももか)。明るくて、見た目軽薄そうなのに中身はしっかり物。美人だけど、喋ると毒舌。家はそんなに近くないけど、よく帰りにカラオケ行ったり、ショッピングした。 「決めてない。入るかどうかも、微妙。それより、バイトしたいもん。高校生より、大学生の方が時給少しアップするじゃん?バイトしたーい。夜勤とかもできるかな」 構内のサークル勧誘会の賑やかな通りを歩きながら言うと、隣でチラシをバンバン貰いまくって、もてまくってる桃香は、片手でアイスを食べている。 「そんなに働きたいの?あんな優しそうなイケメンパパと、なんかあった?」 「何もないよ。あんまり喧嘩とかしないもん」 「じゃ、なんでそんなにバイトしたがるの?帰りたくない理由とか、あるんじゃないの?」
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