第4章 キモチの境界線

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今日から、牧原千津くんが新しくアルバイトに加わる。シフトを確認したら、私と被る日が多い。土日もバイト入ってるし、主に夕勤だし。でも、週2、3回くらいかな。サークルも入ってるらしいので、サークル活動を中心にしたいそうだ。私は週4、5回くらい。もっと入りたいけど、土日はどっちか片方は自分の休息用にちゃんと休むようにしている(お父さんにそう言われたから、だけど)。高校2年の夏から始めたバイトで、もうすぐ働いて2年。夕勤は、ホールにバイト3名。厨房にはバイトは2名。平日だとホールも2名で回したりするので、結構忙しい。桜井店長は主に厨房を手伝ったり、店内の様子を防犯カメラで確認していたり。常に全体を見てくれている。緋奈巳マネージャーは、レジとホール。客のトラブルが発生すると、すぐに対処してくれる。 今日は平日。週末ほどの混雑はないけれど、そこそこ忙しい。 牧原くんは、他のカフェで働いてたこともあったようで、接客は丁寧で上手だ。笑顔も自然と出る。仕事を覚えるのは早いし、片付けから次のお客様までスムーズに動いてくれる。これじゃ、教えることなんか、ないわ。 「牧原くん、じゃ、これ、3Cに運んでくれる?」 「はい」 私が指示すると、即返事をして素早くトレイに料理が盛られた皿を乗せ、伝票を持って3Cの席に運んで行った。
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