優しい朝がくる…?〜ハネムーン篇〜

14/26
前へ
/26ページ
次へ
なんでそんなことを言ったのか、自分でもわからない。でも、彼女の気持ちが痛いほど伝わってきたの。 圭太のことを、愛した人。私と同じ人を、愛した人だから。 私だったら、耐えられない。圭太を残して、先に死ぬなんて辛すぎるから。圭太の泣く姿なんか見たくない。 ごめんね。 ごめんね、ケイタ。 どうか、泣かないで…。 どうか、苦しまないで…。 きっと、そう願っていたと思うから…。 私は圭太の腕にしがみつきながら泣いていると、圭太はそっと私の目の蓋を指でなぞって涙を拭ってくれた。 「ごめん。芹那を泣かすつもりじゃなかったんだけどね。でも…ありがとう」 「ううん。思い出して泣きたくなったなら、一緒にこの綺麗な景色を見ながら、彼女との楽しかった思い出、教えてくれる?私は、ちゃんと聞くから。私、聞きたいわ」 私は圭太の顔を見上げて言うと、圭太は微笑んで私の頬にそっと口付けをしてくれた。 「ありがとう」
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加