優しい朝がくる…?〜ハネムーン篇〜

18/26
前へ
/26ページ
次へ
「圭太…へんなこと言っていい?」 「なに?」 「私、海に入るの、初めてなの」 「え?!」 俺は驚いて芹那を見ると、芹那はなんだかいつもよりバツが悪い表情になってタオルで顔を半分隠していた。 「高校生の時とか、大学の時も?」 「うん。私ね、あまり友達いなかったの。いつも同じ3人で、ずっと一緒にいたんだ。でも、海とかには行かなかった。海を見に行ったことはあるわよ。でも、入らなかったし」 「日焼けとかしたくなかったから?」 日焼けオイルを出して俺が訊ねると、芹那は頭を横に振った。 「私。いつも、嫌われちゃうの。余計なこと言っちゃったり、ズカズカほんとのこと言って、怒らせたりして…。だから、仲良しの友達以外とは、全然話せなかったんだ」 芹那は寂しそうな眼差しで言うと、オレは立ち上がって芹那に手を差し伸べた。芹那はオレを見上げて、その手にしっかりと捕まって立ち上がると、一緒に海へと向かった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加