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圭太と体だけの関係が何年か続いていたけれど、圭太に愛されてたなんて知らなかった。一緒にいる時いつも素っ気なかったし。敬語だし(私もだけど)。でも、時々凄く優しくて、眼差しが熱い時がある。何故、あんな優しい眼差しで見つめるの?私のこと、どう思ってるの?あの頃、そんな想いが溢れそうで、苦しかった。早く戸川さんとの婚約を解消したくて、いつ切り出そうか悩んでたっけ。
私は圭太の頬に触れると、ふと、圭太の手が私の寝巻きの帯を解いていって、私は驚いて圭太を見た。
「ちょ、ちょっと、圭太……起きてたの?」
私が訊ねると、圭太は目を開けて微笑んで私を見つめた。
「うん。とっくに。でもまだ早いだろ?モーニングビュッフェは7時半からだから、まだ1時間以上もある」
「だから?」
圭太の手は解けた紐を引いて、肩から寝巻きを下ろしていくと、素肌の肩に口付けしてきた。
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