217人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
沖縄旅行最後の日。
繁華街でみんなにお土産を買ったり、自分たちの思い出になるものを探していた。かなり大量になるから、お土産品は後で宅急便で送ることにする。
買い物を大体終えて、海が見えるカフェでお茶してのんびり過ごしていると、芹那はスマホで写真をスクロールしながら見て微笑んでいた。
「なんか、あっという間だったな。旅行って、行く前はワクワクで胸いっぱいだけど、帰る頃はすごく寂しい気持ちになるよね」
微笑みながら芹那が言うと、俺はアイスコーヒーをストローでズズズっと吸い上げながら、頬杖をついて芹那を見た。
「そうだね。それだけ、旅行が楽しかったってことだよね。俺もめちゃめちゃ寂しい。ずっとここにいたいくらい。でもさ、どこに行っても、芹那がそばにいてくれるんだ。それ以上の幸せはないよね」
なんか、キザなこと言ってしまった。俺はちょっと恥ずかしくなって、思わずコーヒーを一気に飲み干してしまった。思い切り吸いすぎて、氷の滴すら吸い込もうとしてズルッと音を立ててしまった。芹那も頬を赤く染めていたけれど、大きく頷いて、
「そうね。それは、これからずっと、変わらないわ」
芹那もそう答えてくれると、なんだか俺もホッとして、見つめ合って、何故かお互いに笑い合った。
最初のコメントを投稿しよう!