優しい朝がくる…?〜ハネムーン篇〜

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沖縄旅行最後の日。 繁華街でみんなにお土産を買ったり、自分たちの思い出になるものを探していた。かなり大量になるから、お土産品は後で宅急便で送ることにする。 買い物を大体終えて、海が見えるカフェでお茶してのんびり過ごしていると、芹那はスマホで写真をスクロールしながら見て微笑んでいた。 「なんか、あっという間だったな。旅行って、行く前はワクワクで胸いっぱいだけど、帰る頃はすごく寂しい気持ちになるよね」 微笑みながら芹那が言うと、俺はアイスコーヒーをストローでズズズっと吸い上げながら、頬杖をついて芹那を見た。 「そうだね。それだけ、旅行が楽しかったってことだよね。俺もめちゃめちゃ寂しい。ずっとここにいたいくらい。でもさ、どこに行っても、芹那がそばにいてくれるんだ。それ以上の幸せはないよね」 なんか、キザなこと言ってしまった。俺はちょっと恥ずかしくなって、思わずコーヒーを一気に飲み干してしまった。思い切り吸いすぎて、氷の滴すら吸い込もうとしてズルッと音を立ててしまった。芹那も頬を赤く染めていたけれど、大きく頷いて、 「そうね。それは、これからずっと、変わらないわ」 芹那もそう答えてくれると、なんだか俺もホッとして、見つめ合って、何故かお互いに笑い合った。
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