優しい朝がくる…?〜ハネムーン篇〜

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俺がそう言って芹那の肩を抱き寄せると、芹那は何だか嬉しそうに笑った。 「私は、それで良かったの。聞かれても、言葉にするのは難しくて、困らせたかも。今は、圭太の気持ちもわかってるから、気楽に相談できるけどね。だからね。誰かを亡くすことは、どんな相手でも辛いと思うから、一人で抱えないでほしいの。それから…すごく気になってることがあるの」 「え?」 芹那は俺の肩に寄り添いながら、目を閉じた。 「多分、祐さん。…まだ乗り越えられていないのかもしれない。本当は、今でもずっと、過去を引きずってると思うの。圭太。…私は祐さんの心から笑ってる顔、見たことないわ」 芹那の言葉に、俺はドキッとして言葉を探したけれど、うまく浮かばずに小さく頷いて、 「そうだね。そうなんだけど…言葉では伝えられないし、兄さんも話を逸らすからなぁ。再婚でもしてくれたら、いいのかもしれないけど。それって、俺だけの話でもないし、凛ちゃんにも関わってくるから…」
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