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ケーキのいい匂いに一人、二人と組員が台所に吸い寄せられて来る。
「凄い……。クリスマスだ……」
「昨年のクリスマスは鯖の味噌煮でしたね…」
「あれは最高に不味かったなぁ……」
皆、クリスマスメニューを喜んでくれていて良かったと思いながら、遥はケーキのデコレーションをしていく。
ケーキだけは誠吾と自分の分も用意しておいた。
イルミネーションから帰って来たら夜に一緒にケーキを食べられるかもしれない。
クリームを絞ってイチゴとチョコを乗せただけのケーキだが、なかなかよく出来た。
「姐さんは若頭とデートなんですよね」
「あ、じゃあ今日はお泊まりですか?」
デート………お泊まり………。
想像するとドキドキする。
デートではないし、イルミネーションを見たらきっとすぐに帰って来る。
デートだったらいいのにな。
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