第4夜

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美雪とは何度か寝たことがあるが、誠吾にのめり込んできたのでここ暫くは距離を置くようにしていた。 「めんどくせえな……」 「みかじめ料を払ってるんだからちゃんと守ってよって怒ってましたよ。一回抱いてやれば落ち着くんじゃないですか?」 以前の誠吾ならそうしていたかもしれない。 セックスに特別な意味なんてなかったので、ビジネスライクに抱くなんてよくある事だった。 「俺には……遥がいるから他の女を抱くのは無理だ。遥に悪いし…正直もう遥以外抱く気がしない」 誠吾がそう言うと、山根は持っていた書類をばさばさと取り落とした。 あの来るもの拒まずで請われれば誰でも抱いていたボスが……思春期の少年のようなことを言っている。 「驚きました。セックスも仕事の手段にしていたのに……。そんなにあの子がいいんですか?」 「ああ。アイツを知ったから、もう他の奴では勃たねえわ」 山根に正直に告げると山根は首を振って大きな溜め息をついた。
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