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5話 対話
「そうか………お前たちが付き合うことになるとは………やっと、といった感じだな」
所々で涙を流しながら父上が言った。
「何故そこで婚約では無くお付き合いなのかは解せないが……」
父上の言葉に、クロードが困った顔をした。
やはり私のお父さんだなぁ。
「それで、公表はするのか?お前たちが付き合うともなれば、世間はざわつくだろうが」
私達二人は、顔を見合わせた。
………考えて無かった……。
「……取り敢えず公表はしないでおきます」
クロードが少し考えてから言った。
「うむ。お前たちの為にも、その方が良いだろう」
父上は腕を組み、頷きながら言った。
そして、父上は涙を拭うと、
「今日は二人で話すと良い。10年程離れ離れだったのだ。積もる話も有るだろう」
と言って、退室した。
父上が退室して暫くは沈黙が続いた。
先に沈黙を破ったのは、私だった。
「クロードは……軍に行ってからはどんな事をしていたんですか?」
実は、私はクロードに会ってからこの事をずっと聞きたかったのだ。
今までは色々あって、聞けなかったが。
クロードの軍での武勇伝を聞いてみたいのだ。
「そうですね……」
クロードは一瞬悲しそうな顔をしたが、直ぐに元に戻った。
「分かりました、話しましょう
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