1/1
前へ
/26ページ
次へ

 魔法は想像なのだという。  自分の中に眠る魔力を無から有にするイメージ。  空想を現実と信じるイメージ。  それが灼熱(しゃくねつ)の炎にも、()てつく氷にもなるのだという。  魔力の上限は生まれつき決まっているらしい。  持って生まれた素質。  脈々と受け継がれる血。  「魔力は血統」と揶揄(やゆ)されるのはそのため。  でも、大いなる力を自分のものとして、どれだけ操れるかは積み重ねてきた経験だけがものをいう。  それが魔法の本質。  だから魔法が釜戸の種火として(くすぶ)るか、それとも鉄をも溶かす業火になるか、それは使い手次第。  そして、力の使い道も――。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加