41人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ
機械から流れる「ピーーーー」という雑音。
泣き崩れる、颯輝の両親。
心を覆う罪悪感。
美鈴には、分かっていた結末。
出逢った意味…
現実になって目の前に映る病室が、まるで映画のワンシーンのように焼きついた。
こんな幼い時期に出会って、終わりを迎えるなんて、今までの前世にはなかったのに…
もう、出逢いたくない。
自分と出逢って、何度も散っていくなら、もう会いたくないよ。
今度出会うときは、うんと年齢を離して、彼と心を通わさず、通り過ぎるだけの存在でいたい。
もう、悲しい想いはたくさんだ。
見た目は子供でも、美鈴の心はいつでも、結末を見た後は、前世のころと同じ、大人びた心のまま、体だけが成長していくのを待つだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!