逢瀬の前触れ

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逢瀬の前触れ

あれから25年の歳月が流れていた。 もう、忘れたかのように、なんの変化のない毎日を送り、私は医者という道へ進んだ。 守られるばかりの前世の記憶に、抗うように、今はいろんな人の病気と向き合っていた。 もちろん、救えないこともあるけど、それでも、少しでも長く生きれる方法を今でも、勉強中だ。 恋愛は、何度もしてきた。その度に別れが来る。そもそも、ちゃんと恋愛かもわからないけれど、雰囲気が良かったり、なんとなく付き合ってみたり、時には、彼氏が欲しくて、必死に探したりもした。 それが心から愛するとは違うこと、自分でも分かっていた。
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