第2話幽霊

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 僕の妄想にしては、若干ネガティブな妄想ではあったが、まさか本当になるとは思わなかった。病気が治ったといわれれば、そうではないのだろうけど、今の身体は病気の痕跡を全く感じさせない。 「……どうでもいいか」  妄想していないときは、絶望的なほどにネガティブだ。心にぽっかりと穴が開いている状態は、どうやってもポジティブなことを考えられないのだ。病気の代償なのだろうか。 「いつ、死ねるかな……」  ふと、目を閉じてみる。身体の機能は全て停止しているような感じであるのに、どうして風がぬるく感じるのだろうか。  目を閉じたまま、ひたすら虚無を味わう。  十分、二十分、一時間。  やっぱり、眠くなる気配はない。
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