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第1話10年後
僕はあと一ヶ月で死ぬ。
もう、ろくに身体も動かない。
静まり返った病室で、息苦しいマスクをつけて、ひたすらに横たわる。腕には何本もの針が埋め込まれ、やせ細った身体は見るに耐えないだろう。
享年十八歳。心臓の病気だそうだ。一年前に急に発病し、すぐさま余命宣告。
本当に笑えない。
目を閉じると、学校で教師の退屈な授業を怠惰な体たらくで受けていた日々が、今でも鮮明に蘇る。それくらい、急すぎる出来事であった。
病気が判明してからは、ずっと同じ病室で寝たきりの生活を過ごしていた。正直、一年前に僕は既に死んでいると言っても過言ではない。
代わる代わる訪れていた見舞いの友人や知人も、いつからかめっきり来なくなった。病室を訪れるのは、医者と看護師、それと二日に一度の母親だけであった。
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