1杯目

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「誠司……待って、 止まって」 「なんだよ」 息を整えながら、 やっぱり流されるのは嫌だった。 部屋を飛び出してからの時間、私の心ドロドロでぐちゃぐちゃで。 「どうして私を探したの?」 「はぁ?当たり前だろ? なんで探してないって思うわけ?」 「だって浮気」 「だから、浮気なんてしてねーって。 しつこいお前」 「しつこいって、 だって私確かに聞いっ……」 え? 「馬鹿…」 瞬間、 彼の体に包まれて、 視界も言葉も遮られていた。 「こんなに大切なのに、 他に誰かとなんてあるかよ」 「大切って……嘘よ」 「ああ、もう、とにかく帰るぞ」
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