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「誠司……待って、
止まって」
「なんだよ」
息を整えながら、
やっぱり流されるのは嫌だった。
部屋を飛び出してからの時間、私の心ドロドロでぐちゃぐちゃで。
「どうして私を探したの?」
「はぁ?当たり前だろ?
なんで探してないって思うわけ?」
「だって浮気」
「だから、浮気なんてしてねーって。
しつこいお前」
「しつこいって、
だって私確かに聞いっ……」
え?
「馬鹿…」
瞬間、
彼の体に包まれて、
視界も言葉も遮られていた。
「こんなに大切なのに、
他に誰かとなんてあるかよ」
「大切って……嘘よ」
「ああ、もう、とにかく帰るぞ」
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