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やれ恋した、失恋した。
とそのたんびに私のとこに入り浸り、
きいてもいないあれこれを話しまくる。
泣いたり笑ったり、
隣に花陽がいる。
それをなぜか居心地よく感じてしまう自分に戸惑うばかりだった。
花陽の作る甘ったるい煮物や、
辛いきんぴら。
そして、
時折淹れるイチゴ風味のミルクティ。
何もかもが新鮮で、
体中でとろりと癒やされるのだ。
「花陽、あれ淹れてよ」
「ふふ、オッケー、
花陽ちゃん特製ロシアンミルクティだね」
鼻歌を歌いながら、
小鍋に牛乳に茶葉を入れ、
そこにいちごジャムを一匙。
ふんわり漂うその香りは、
私の中の女の子の部分が喜んでいるみたいで、きゅうっと心が締めつけられる。
できるならずっと一緒にいられたなら、
いつの間にかそう願っている自分に気がついたとき、
きっと私は花陽に恋しているのだ。
でもこのことは決して悟られてはならない。
知られてしまったら……もう……
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