4杯目

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花陽は恋多き女だ。 というか、 本当の恋を知らないんだろうと思う。 馬鹿な男たちに現をぬかす彼女に、 アドバイスをするフリをして、 別れるように仕向けたり、 振られた花陽を、 慰めながらさり気なく自分をアピールしてるつもりなんだけど、 ウジウジいじける花陽に なんかもどかしくて、 つい突き放す言い方してしまう。 自己嫌悪、その繰り返し。 必要とされるならそれだけで、 私は幸せのはずだ。 それでいいはずなのに、 なのに人間とは欲深い。 誰よりも自分を一番に置いてほしいと願うのだ。
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