おまけのおかわり

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チケットには夢色カラーなイラストが。 スイーツがふわふわ雲の中、 アラサー女子の乙女心くすぐる。 行けるといいな。 二人で! デートとかここのところしてなかったし。 久々のデートでプロポーズとかされたりしてねー。 ドンッ 「あっごめんなさいよそ見しちゃって」 ぼんやり妄想なんかしてたら、 結婚式に出席していたらしい人が、 私の肩にぶつかってきたようだ。 「あ、チケットが」 「本当にごめんなさい」 彼女は私の落としたチケットを拾い上げて、 私に差し出した。 そこでチケットを見ておどろいたような顔をした。 「これ、コレクションホテルのアフタヌーンティの……」 「あ、はいそうです」 「ふふ」 「何か?」 「あ、変な態度してごめんなさい。 そのね、このイラスト私が描いたの。 だからちょっとうれしくて」 彼女は口を抑えて、 かおを綻ばせた。 「そうなんですか! すごいですね」 「すごくなんかないんだけど、 ちょっと落ち込んでたから、 思いがけないサプライズっいうか…ね」 「そういうの…ありますよ。 わかりますわかります!」 「ありがとう」 照れくさそうに笑って、 彼女は帰っていった。 すっと背筋の通った姿勢で、 長いストライドであっという間に、 姿が見えなくなった。 あれ? 女の人だよね? ちょっと中性的な魅力のある人。 クリエイターなんてちょっと憧れちゃう。
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