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「おーい」
小さなノックとともに
遠慮がちにかけられた声
「あっ」
「私行かなきゃ」
「はい、声かけちゃってごめんなさい」
「いいえ、合格きっとしてると思いますよ」
「ありがとうございます」
彼女の言葉を背に急いでレストルームから出ると、憮然としている晶がバッグやコートを持って待っていた。
「長い、心配するだろ?」
「ごめん」
「会計終わってるから帰るぞ」
「うん。
あっ」
バッグの中でスマホが震えていた。
慌てて取り出すと、
派遣からの電話だった。
「もしもし……」
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