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「新しい派遣先決まったみたい。
明日面接兼挨拶に行く」
「そうか、良かったな」
「うん」
良かったなとか言いながら、
なんか考え事している様子。
「何?」
「ちょ、俺ら一緒に住まない?」
「え?」
「ここのところ、のどかが仕事なくて、俺に合わせてくれてたじゃん?だから結構一緒にいられたし、うちに泊まったりしてたから幸せだったんだよね。
また、のどかが仕事するとなるとまた、すれ違いになって会わない日が増えるだろ?」
「そりゃ、そうね。
一ヶ月とか会わないっことあったね。
イベントは夜とか休みの日がメインだろうし。普通は朝から夕方まで仕事で、土日休みだからね。今度の仕事も多分そうなるのかな?」
「だろ?」
「でも今までもそうだったし、一緒に暮らしたところでそれって変わらなくない?」
「変わるよ、一緒に住めば一日のどこかでちゃんと顔を見れるだろ?話だってできる。
もう、前みたいになるのはやなんだよ。
プロポーズだってしたんだからもういっそ一緒に住もうって」
「ほ」
「何、「ほ」って」
「えと、いやー、今日キャラ違わない?」
「変えてるよ、一世一代の大切な日にするつもりで頑張ってる。
ちょっとフライングしちゃうかもだけど、
後で良かったー、で言ってくれるように幸せにする。だからさ」
「うん。
お願いします」
「ほ」
「うん、本当に!」
謎のほの後は、
本当に?
だったみたい。
いつかはって、
お互い思ってて、
どっちかが言い出さないか牽制しあってたとこはあった。
そっか、
ついにあなたがしびれを切らしてくれたんだね。
「ありがとう、頑張ってくれて」
こういうときどんなふうに言ったらいいかなんてわからない。
けど、
感謝の気持は伝えておきたい。
変かな?
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