おまけのおかわり

18/18
前へ
/61ページ
次へ
新しい生活になって、 半年間の派遣の契約満了しても、 契約を更新しなかった。 帰宅して、マンションのドアを開くとふんわりと甘い香りが漂った。 「お疲れ様」 目の前に差し出された、 バラの花束。 50本以上あるんじゃないだろうか? 「すごい、どうしたのこれ?」 「サプライズ!」 「わあ、驚いた」 私の明らかに棒読みの返しに、 「チッ、何だよ全然驚いてないな」 と、いいつつも、 私の手を取りエスコート。 部屋はやたら造花や風船なんかで、ゴテゴテと飾り立ててあり、 いつぞやの彼の仕事を手伝ったときの100日記念日なるものを彷彿させた。 明らかに私を喜ばせようと頑張った感が満載だ。 「なんかのお祝い?」 「え?」 「誕生日だろ?のどかの」 「あ、そうだ、忘れてた」 「あーもう、なんでこうお前はサプライズクラッシャーなんだよ」 「あはは、ごめんごめん。 うれしい、嬉しいよありごとうございますねっ?」 憮然とした、晶のご機嫌を取りつつ、 わー、凄いーっとか、 あれこれを褒めちぎった。 テーブルの上にはあの、プロポーズの時のような、アフタヌーンティーセット。 「わ、これ買ったの?」 「会社から借りてきた」 「すご~い、嬉しい。 あれ、 これって?」 「今度はちゃんと間に合った」 お皿の頂上には、 白いビロードの小箱。 指輪が2つ並んでる。 「今日入籍しよう。 どうかな」 「うん。いい、いいと思う」 「やった、じゃ善は急げだ、 早速役所に!」 「待って、 あのね、 私も驚かせることある。 聞いて、 あのね、 赤ちゃんできた」 「え」 「サプライズ!」 「ずりぃー、 俺の努力霞んじゃうじゃん」 「嬉しい?……よね?」 「当たり前だろ。 サイコー。 今日はダブルどころかトリプルのお祝いだな。早く席入れないとな。 やっべー、おれパパかよ。はあ~、照れる」 めっちゃテンパリつつ、嬉しさが隠せない彼に、ほっとしつつ。おなかを撫でた。 良かったね赤ちゃん。 「次の私の誕生日には3人だね」 そういった私の指に、 スルリと通した指輪。 ニッと笑いながら自分の指を差し出す。 私は、慌てて白い小箱からもう一つの指輪を取り彼の指に通した。 「俺のもん!」 その手をキュととられ、 指輪に口づけした。 どんだけキュンとさせるのか? 「私のもの!」 私も彼の指につ口づけた。 やってやったわキュン返し。 お互いに照れつつ笑い合って、 それから、 もったいないからアフタヌーンティーのおかしを平らげてから、 手をつないで入籍しにいきました。 サプライズ好きな旦那様はこれからもきっと私を沢山笑顔にしてくれるはず、 ありがとう晶、 大好きだよ。 これからもよろしくね♥ 午後の紅茶 オマケおわり。 長いオマケ、最後まで読んでくださり ありごとうございます。 今度は新作でお会いしましょうね。 これからもよろしくおねがいします。 音葉ぽるかでしたー〰!
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加