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からん……
足元にころがる空缶が音を立てる。
顔を上げると、
見慣れた顔が。
「何やってんの?」
「誠司……」
「まさかここで夜明かしってことはないだろう?
どこ行ってたの?」
「どこだっていいでしょ?」
「ばか。いいわけないだろうが、
部屋から、突然飛び出して、
連絡はつかないし、
職場に電話したら体調不良で帰ったっていうし、
どっかで倒れてんじゃないかって心配するだろ?」
「心配してる?
浮気者が何言ってんの?」
「浮気?」
「電話で話してるの聞いちゃったもの、
浮気してるんじゃない。
愛してるって言ってた」
「は?なんだよそれ」
「しらばっくれたって駄目よ。
この耳で聞いたんだから!!」
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