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「あぁ〜〜〜!!出来ん!眠い!睡魔に負ける!!」
よろよろと歩いてドアの前を通過して奥にあるソファに横になった。
コーヒーを持って来ると言えば絶対に持って来るのが水菜だ。
そのコーヒーを待っていた。
仰向けになり頭と足をソファの肘掛けに乗せて、いつの間にかうとうとし始めた。
夕方16時過ぎ、パート社員と時短社員は帰り、そろそろ女性社員も帰る支度を始める頃で少しずつ静かになりつつある。
水菜も17時前には海を迎えに行くと話してたなぁと思いながらうとうとする。
どれだけ時間が経ったかは分からない。
キィーーという音がして、パタンと静かにドアが閉まる。
「……ん?み、ずな。」
声にならない掠れた声が出る。
真の目は閉じたまま、まだ半分以上夢の中だ。
柔らかい手が頬に触れ、その手を辿り真は腕を掴んだ。
掴んだ腕を頼りに上半身を少し起こす。
唇に柔らかい唇の感触。
「んーーーー。」
(水菜ぁ……眠いけど……起きないと。みず…な?あれ?)
なんか違うと頭にクエスチョンマークが浮かんだ瞬間、
ーーガシャン!!!
何かが割れる音が横からして、目を開けてそれを見た。
ドアを開けて水菜がそこに居て真は驚いて掴んでいた手の行方を見る。
知らない人ならまだ良かった。
見覚えのある知ってる人……その人とキスをしていた。
奥さんの目の前で………。
真は一気に青褪めた。
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