同じく、気に入らないんですけど!

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「G、forestの社長に私が何を吹き込んだって言うのよ!証拠が欲しいなら今までのメールを見せてあげるわよ!仕事の話なんてしてないわ。美味しいお店の話、咲いた花の事、お互いの子供の話、後は……旦那の悪口ね?」 そこで真の眉がピクリと動く。 「そ、そんなのどうとでも書き換えれるじゃないの!」 水菜の勢いに怯みながらも、沢田は負けじと睨みながら言い返す。 「はぁ?そんな面倒な事しないわよ!英語出来ないんだから!それに真の個人アドレスを使っているから、真のパソコンからも見れるわよ!証拠になるでしょ?みたいだけ見ればいいじゃない!!」 真の机に近寄り、モニターを強引に動かして画面を見える様に外側に向ける。 「おい…水菜、やめて…壊れるから…。」 強引さに真が恐々、口を出す。 「うっさい!パネル作るお金があるならそれで新しいパソコン買えば!」 「………はぃ。」 迫力に押されて真が小さく返事をすると、立花は笑いを堪えていた。 「担当者にも甘い言葉を使って?あと何でした?あなたの邪魔をする事は真の邪魔で会社の邪魔?個人的感情で会社を掻き乱さないで?それ全部、そっくりそのままあなたにお返しするわ。………冗談じゃないわよ!気に入らないのはこっちも同じなんですぅ!!」 思いっきり大声を出して、水菜は沢田に詰め寄る。 「最初から気に入らないのは私も同じです。気が合いますね?考えて下さいよ?エタエモに入社して10年は経っているんです。その間にいろんな事があって私なりに会社の為に必死に働いて来ました。その大事な会社を働かせて〜の一言で入ったあなたに危機に陥らされた。感情で掻き乱しているのはあなたの方でしょ?さっきから妻の座にいてとか、私の場所だから消えてとかあなた子供?その考えで、契約した以上それを守れと一点張りで言い張ったんじゃないの?ねぇ、契約は大事だけど話を聞く位は出来たんじゃないの?それとも英語を話せるのは嘘な訳?」 先程の大声とは違い、冷ややかな声で水菜は沢田の正面で話した。 「な…英語話せるわよ!!大人よ!馬鹿にして!」 瞬間、パン!!という音が響き、水菜の顔が真に見えない方を向く。 今まで見えていた怒っている水菜の綺麗な横顔が見えなくなった。
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