同じく、気に入らないんですけど!

4/5
前へ
/161ページ
次へ
「このまま辞めたら責任を取った事にならないし、真を諦めないって言うなら会社にいた方があなたも誘惑し易いでしょ?勿論、私も闘うと決めた以上、対抗するわ。G、forest担当者の責任として仕事が無事に終わるまでいてもらう。これはお願いじゃないわ。挑戦よ!私の下に付いてもらう。G、forestの担当者の補佐をしてもらうわ。これからは14時半に出勤して下さい。帰りは20時にします。14時半から15時まで引き継ぎの時間とします。 良いですよね?社長、副社長。」 淡々と話す水菜に二人は頷く事しか出来なかった。 「冗談じゃないわ。あなたの下に付くなんて嫌よ!辞めさせて頂くわ。」 沢田が吐き捨てて言い、ドアの方に向かい歩き出す。 「逃げるの?真を諦めないとか言っておいて。甘い言葉を使って担当者を丸め込んだ女が相手なら取り返せるんじゃないの?それとも実力でも負けたと認めてくれるのね。敵わないなら最初から逃げた方がいいものね?」 笑顔で水菜が意地悪を言っている…と思いながら横で真は聞いていた。 怖いから口は出さない。 「誰が逃げるのよ!」 「あなたよ?決まってるじゃない。結局、実力がないのを知られるのが怖いから逃げるんでしょ?補佐になったらすぐバレちゃうものね?」 微笑(ほほえ)みを向けて水菜が言うと、沢田も最後の意地を見せた。 「……いてあげるわよ!補佐でも何でもしてあげるわよ!会社に置いた事、後悔させてやるから…。」 バン!! と、派手にドアを閉めて出て行った。 「み〜ずなぁ〜。無茶すんなよぉ〜。心臓止まるかと思った。」 隣の水菜に抱き付く。 「ごめん。腹が立って…。」 「とりあえず、冷やすの持って来るから、石原さん座ってて?」 立花にお礼を言い、真と二人になった。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2098人が本棚に入れています
本棚に追加