補佐、沢田

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それからの水菜の仕事振りは一言で言うなれば…「見事」。 真と共に家を出て子供たちを保育園に送り、出勤して通常業務をこなしつつ、英文と格闘する。 14時迄には英文を訳して内容を把握し、新たなメールを作成し送信。 14時半から沢田との引き継ぎ。 沢田の仕事は水菜と向こうの担当者の繋ぎ。 向こうの担当者は朝一でメールを開き、水菜の送ったメールを確認した後、沢田に電話をして分からない箇所、気になる所などがあれば伝言する。 沢田には話が長くても全てメモをして日本語でメモを渡すように指示が出ていた。 水菜が担当になってから、相手からの細かな要望は増えたが無理な事ではなく、逆に水菜はそちらのスマホを手に入れて送って欲しいと要望を出した。 まもなくそれは送られて来た。 相手の意見を聞き、こちらも遠慮無く言う。 水菜にしか出来ない事だと真は思っていた。 引き継ぎが終わると15時過ぎには海を迎えに行き、そのまま退社。 二人の子を迎えに行く。 そこから後の沢田は緊急時の電話番と水菜が指示した資料を見たり、作成したりになる。 それを確認するのが佐藤響子の役割だ。 20時の退社時間が近付くと、佐藤同席で社長室に顔を出して報告。 それでやっと退社になる。 沢田マリンにしてみたら、楽しくはない仕事だろうと真は思っていたが、それで辞めてくれるならという気持ちも何処かにあった。 (水菜を殴った事は、絶対に許せないしな…。) これが本音だった。
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