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「お母さんは凄いな?嫌いな人も好きになろうとするんだな?」
真が呟くと空は分からないと、真の手を引っ張った。
(水菜は沢田マリンは嫌いなはずだ。見たくないはずだ。それでも二人の式には自分は無関係だと言った沢田の分のケーキも買って来たんだろうな。)
考えながら空を見る。
「空…大きくなったな?お前…海位だったんだぞ?お父さんが抱っこするとな、すぐ泣いて苦労したんだぞ?」
「そうなの?」
「そうなの!」
言いながら空を抱き上げた。
重さを実感した。
水菜に出逢ってなかったら…今も俺は最低な男だったと思うし、こんなにも可愛い者にも出逢えずにいた。
感謝しかない。
水菜によく似た笑顔の長男、しっかり者でまっすぐ。
俺にそっくりな次男、我儘かな?そんなとこも俺にそっくり。
「真?帰りにお赤飯の引き出物もらったから食べない?休憩室でついでにお茶、淹れて来たよ。危ないから冷たいの。」
ドアを開けて入って来たのは最愛の水菜。
その腕には水菜にそっくりな口数の少ない大人しい長女。
「もう一度、水菜と結婚したくなった!!」
ジッと見てから笑顔で言う。
「……どうしようかな?」
悩まれてしまった。
「嘘でしょ?水菜?」
くすくすと水菜は綺麗な笑顔を向けてくれていた。
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