2049人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
「止めろ、マリン!」
真が手でマリンを押すが、触る形となり水菜の目が細くなる。
「昔のご友人でしたら社長が対応されて下さい。私は秘書ですから。失礼致します。」
ーーーバン!!
と、大きな音でドアを閉めて出て行ってしまった。
「みず、水菜ー!!おい、マリン!離れろ!」
「何で?」
「何でじゃねぇ!俺の奥さんだぞ!奥さんの前でお前…。」
がっくりと肩を落とす。
「奥さん?真、結婚したの?あの真が?嘘でしょ?」
金髪美女は信じられない顔を向けて訊き返した。
「……したの。俺が、女面倒くさいって言ってた俺が結婚したの!!もう7年になる!何で今頃くんだよ!マリン!!」
「ええぇ〜?だってぇ〜。真が困ったらいつでも来ていいぞって言ったんじゃない。結婚してるなんて知らないもの。」
「……はぁ。まぁ、話せば分かると思うけど…で?マリンはなんで急に来たわけ?なんかあるんだろ?」
「聞いてくれるの?優しいとこは変わってないわ。」
マリンは上機嫌で話し始めた。
ため息を吐きながら真はそれを聞いた。
沢田マリン、父親は日本人で母親が米国人。
セフレの中でもひときわ美女でゴージャスボディの持ち主。
母親が再婚してアメリカに行くのをキッカケに別れたが、そこはお互いに割り切った関係で納得の上の綺麗な別れだった。
さっぱりとした性格もあって、人を入れない真の部屋にも泊めた事がある程、気が合っていた相手だった。
水菜と出会う少し前の話だ。
「はぁ?離婚?マリン…結婚したのか?」
「向こうでね?いくつだと思ってるの?私、これでも35よ?」
くすくす笑いながらマリンが言うと真もそうかと納得した。
「そうか…そうだな。俺も36かぁ……。」
(36にもなって奥さんの前で……)
はぁぁぁぁぁぁ……とため息を吐いた。
最初のコメントを投稿しよう!