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9月に入り、G、forestへの納期を無事に終えて、これから2年契約でシステム管理の仕事を任された。
固定収入に幸人も喜んだ。
「えーシャンパンは行き渡ったかな?では!!新しい海外企業との取引成功と、これからのエターナルエモーションと、この仕事でお疲れの皆さんを労り……お疲れ様でした!乾杯!!」
「乾杯!お疲れ様でしたぁ!!」
社長の声で全員が祝杯を開始した。
フロアのあちこちで乾杯やお疲れ様の声が聞こえた。
無事にシステムが完成し、引き渡しが終わった事と2年契約を無事に済ませたお祝いになっている。
引き渡しはパソコンにて行えるが、チームリーダーの茂野は明日、アメリカに行く事になっている。
送迎会も兼ねていた。
そのお祝いムードも時間の経過と共に、一人また一人と仕事に戻って行く訳だが、社長なりのお祝いだった。
水菜も梨香といつもより少しだけお洒落なスーツを着て参加していた。
「水菜もお疲れ様!今回の功労者ね。」
カチンとシャンパングラスを梨香は鳴らした。
「ありがとう。功労者はチームforestでしょ?それに沢田さんも残ってくれて良かったし、沢田さんのフォローも佐藤さんが良くやってくれたわ。私がいない分、感謝だわ。」
「短い時間で佐藤さんも良く育ってくれたわね。いつ抜けても安心かな?」
「抜けるの?え?辞めるの?」
驚いて水菜が訊き返す。
「辞めはしないけど、パートでも良いかなって思ってる。梨奈がね、中学お受験したいとか言い始めて、あれって親も頑張らないといけないみたい。まだ調べ中だけどね?」
「凄いね。……そっかぁ、子供を優先で考えたらそうなるわよね。」
納得しながらも長年共に働いて来た梨香がいなくなると思うと、少し涙腺が緩んだ。
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