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真が社長室に戻るのを目で確認して、直ぐに後を追った。
社長室をノックしてドアをゆっくりと開ける。
「失礼します。」
「うん、お疲れ様、水菜。」
笑顔で迎えてくれるが、真の目はもうモニターを見ている。
「仕事?今はアプリ開発もシステム開発も真はないわよね?」
不思議に思って聞くが、真の事だから何か面白い事を思い付いて開発しているのかも知れないと考えた。
「いや?今日はさ、仕事を考えるのは止めにしようって幸人と話してさ、少し前に幸人と考えたゲームを弄ってる。…駄目?」
怖々と聞くから水菜は笑いを堪えた。
「構わないわよ?ここの所忙しかったし、考えたら立花さんも新規開拓って営業が大変だったのだし、新規契約出来たから急いで開拓しなくても良いしね?二人で遊ぶの?」
「そう…昼からね。」
安堵のため息を吐いて真は笑顔で答えた。
「何か用だった?」
聞かれて水菜は梨香の話をする。
「パートでも居なくなるわけじゃないけど、今川室長として随分頼りにして来たから、そこから引くのは寂しいわ。」
「うん…まぁ、パートだから役職を降りるっていうのもどうかと思うんだ。そのままでも良くないか?勿論、梨香次第だけど、その辺も考えるな?水菜もこれからまだ大変だぞ?沢田の教育と佐藤の教育。頼んだぞ!頼りにしているからな?」
「…はい!頑張ります。」
と答えると、真は怪訝な顔を向けた。
「頑張らなくていい…水菜はそのままでいい。俺の自慢の奥さんだからな。」
耳が赤くなっていくから、それを見て水菜も微笑んだ。
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