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社長室を出てフロアに降りると、まだ飲んでいる佐藤を見つける。
「ねぇ、梨香。どうせなら佐藤さんも誘わない?5時なら少し終わりが早いだけだし、社長がゲームするなら構わないわよね?」
佐藤を見ながら水菜が話すと、梨香も賛成して佐藤に声を掛けに行った。
立ち話をして戻ると、
「参加決定!凄い喜んでた。4時半には戻って来るって伝えたよ。急いで帰ろう!」
と梨香は笑顔で言い、二人で足早に会社を後にした。
家に帰ると急いで洗濯物を取り込み、三人分の荷物を準備する。
「三時間なら…一応着替えとオムツと念の為ミルクとジュースにお菓子。おもちゃと本と…。」
海と真夏のものを多めに入れて、冷蔵庫に入れてあった漬物とひじき煮もタッパーごと持って行く事にした。
15時過ぎて保育園に迎えに行き、二人に話してまた会社に戻った。
荷物が想像より多かったのでタクシーを使い、念の為に台所に置いていた簡易柵も持って来た。
喜ぶ二人を社長室に届けてから託児所に海を迎えに行き、ベビーカーと一緒に社長室に入れる。
「水菜ー?これ何に使うんだ?」
持ち込まれた柵を見て真が聞く。
「あぁ、階段。秘書室に行く…遊んでて落ちたら危ないし海はハイハイするし…。立っても危ないから。ドアの代わりに持って来たの。真は夢中になると目が行き届かないだろうしね?梨奈ちゃんと空が大変になるから…。」
「なるほどね。じゃあ、柵置いてその前にテーブル置いておくか。」
真は柵を置くと、ソファのテーブルを柵の前に移動させた。
「本当に大丈夫?」
心配そうに水菜が聞くと、
「大丈夫、幸人もいるし…。たまには楽しんでおいでよ。あ!でもあれだぞ?ナンパされても付いて行くなよ?」
と言ってから額にデコピンをされる。
「いたっ…。そもそも!ナンパなんかされないわよ!」
額を撫でながら水菜が膨れて言うと、ドアがノックされて梨香と子供たちが顔を出した。
梨香も同じく大荷物だった。
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