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「ねぇ…聞いていい?真の何処が良くて結婚したの?浮気するでしょ?女好きだし寄って来るし。今でもデリバリーばっかりなの?妻はやっぱり飾りか家政婦扱い?」
沢田マリンのズケズケした物言いにポカーンとしながらも、くすくすと水菜は笑う。
多分、水菜の寂しかったんだ、と言う発言に対する仕返しなのだと理解した。
「聞いていいって聞いてるけど、答える前に聞いてるわね?」
笑いながら言うと、梨香も佐藤も聞きたいと言いながら水菜に注目していた。
「えー?何処が良くて?そうね…単純なとこかな?子供みたいで嘘がない。浮気しても多分、すぐ分かる。前向きで愛情表現がストレートだから私には楽かな?」
答えて水菜も四杯目のお酒を注文した。
「浮気したんだ…やっぱり。そうよね?あんなに周りに女がいた奴が、奥さんだけで足りる訳がないわ。」
怒った様に吐き捨てて、沢田はお酒を飲んだ。
「私が知ってる限りは、出会ってから浮気はないわよ?」
水菜が答えながら、店員の持って来たお酒を受け取ると、沢田は驚いた顔をして見ていた。
「…嘘でしょ?気付いてないだけでしょ?」
茫然と沢田が聞くと、梨香も水菜の意見に同意する。
「本当だよ?疑惑はあったけどそれも違ったし…水菜が入社してから女性関係綺麗にして、水菜一筋、あの謝るのが嫌いな真が水菜には頭を下げた位だしね?それに同棲してから一年間、なんっにも!してない!あの真が!」
「同居って言ってくれない?」
くすくす笑いながら水菜が答えると、あれは同棲だと梨香が笑って言う。
「真がねぇ………。もう昔の真じゃないのね。何となくは分かってたけど…。真てさ…面倒は嫌いだけどちゃんと女の子を大事に扱ってくれるし、一人の人としてね。楽になりたくて逃げて来たのよね。セフレで良いから寂しいから…。なのに奥さんいて子供もいて…。キス如きで出て行く奥さんならその場所を奪ってやれって思ったのに無理だった。はぁ〜コテンパンにやられました。」
ソファの背もたれに頭を乗せて、沢田は上を向いた。
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