おい、こら!

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「うわっ!死んだ!やられた!!」 あ〜あ、と言いながら真は机の脚を蹴り、キャスターの付いている椅子を後ろの壁に当てた。 「帰りが遅いから気になって集中出来ない所為だ!!」 ご立腹でため息を吐きながら、椅子の背に頭を乗せて上を向いて言う。 幸人は未だ、ゲーム続行中だったが、パートナーの真がいなくなりやはりゲームオーバーとなった。 「やられた…。このゲーム難しいな?うちでもそろそろ第三作目を出すか?」 コントローラーを置いて幸人が言うと、真も少し考え出した。 笑い声が微かに聴こえてそれが大きくなって来る。 「おい!帰って来た?」 真が言うと幸人も耳を澄ませるが、その時には声はまた小さくなった。 耳を済ませていると、小さなノックの音が聴こえた。 静かにゆっくりとドアが開いて、梨香が顔を出してその後ろから水菜が入って来た。 梨香は幸人に笑顔を向けながらプライベートルームに直行し、水菜は真と幸人に会釈をしてソファの空とベビーカーの海を見てから、プライベートルームを覗きに行った。 「おい、こら!!子供の前に俺だろ?」 不思議顔で水菜は振り返り、梨香はゆっくりとプライベートルームの扉を閉めた。 「真の前に子供達の確認だと思うけど…。」 ソファで寝ている空を見て小さな声で水菜は答えた。 「いや!俺だ。先ずは俺!!ただいま、の後に真、大好き!だろ?」 「意味分からないんだけど?」 水菜が言う。 「本当に意味、分からないわ。ただいまの後が意味不明。」 と梨香も言い、幸人の前に行くと居ない間の子供達の様子を聞いていた。
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