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「おかぁ〜さん!お母さんだぁ!!」
しがみ付かれながら、
(あ…これは寝ぼけているなぁ?)
と水菜も考えながら苦笑しつつ、膝を折り空を抱きしめる。
「ごめんね?お留守番ありがとう。海と一緒にいてくれてありがとう。今からお家に帰るからね?お布団で寝ようね?」
そのまま抱き上げると嬉しそうに笑う。
来年小学校に入る空は、身体も大きくなって水菜が抱き上げるのも一苦労だし、下の子を優先的に抱き上げるからどうしても抱き上げる回数は減る。
空も分かっているが、滅多にない事に嬉しそうに笑い、絶対寝るもんかとばかりに目を擦り睡魔に抵抗していた。
「寝ていいよ?空。お母さん車まで抱っこしてるからね。」
「ええー。じゃあ起きてる。」
「ええー。寝よう?」
くすくす笑いながら話していると真が近寄り提案する。
「お父さんが抱っこしてやろう!」
「いや!!」
即答されてプイッと横を向かれてしまった。
そのまま空は水菜の肩に顔を乗せて、トロンと眠りに落ちて行った。
「空にまで…振られた。」
ショックな顔で真が言う。
「私は振ってないわよ?それじゃあダメな訳?」
水菜が言うと思いっきり首を振っていた。
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