おい、こら!

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帰宅して、水菜は空を抱いたまま寝室に運び、自分達のベッドに寝かせた。 真も抱っこ紐を外しながら、真夏を水菜に渡して二人でそっとベッドに寝かせる。 直ぐに真はベビーカーから海を抱き上げてベビーベッドに寝かせた。 「ふぅ…これで一安心かな?」 真がため息を吐いてベビーベッドの横に座り込んだ。 「ごめんね?三人の面倒、大変だったでしょ?ゲーム出来た?」 疲れた様子の真を見て水菜は聞いた。 「出来たよ?水菜はいつも俺がいない時は一人で三人見てるだろ?本当に感謝だな。ありがとう水菜。俺と結婚してくれて、ずっと当たり前に側にいてくれて…。俺…鈍感でどうしようもないこんな奴だけど、これからもよろしくお願いします!!絶対!手を離さないで欲しい!」 真剣な目で言われて、水菜は少し涙ぐみながら真の手を取った。 「…うん。こちらこそ、よろしくね?離してあげないよ?本当にいい?」 「おう!ドンと来い!望む所だ!!」 真の手は…暖かく優しい物だった。 「で?」 「……で?」 で…の意味が理解出来ず、不思議顔を真に向けて訊き返した。 「……で?どうだった、ナンパされて?いい男だったか?俺よりか?」 「それ……ヤキモチ?」 と聞く。 「当然だろ?お洒落して出掛けたんだし?心配してたんだよ。」 「信じてないの?私は信じているのに?」 冗談で言ったのに、真が声を荒げた。 「信じてるよ!!水菜の事は!俺が、最低だから不安なんだ。水菜が嫌いって言うかも知れないし…。」 それを聞いて水菜から真に抱き付いた。 「……大丈夫。言わないよ?素直な真が大好き。本当だよ?」 それを聞いて真も水菜を抱きしめた。 「いつか…真が空気みたいになる日がくるのかな?うちの主婦SEさん達は、ご主人は空気だって言ってた。そんな日が来るのかな?」 「う〜ん…来るのかもな?水菜がいてくれたら、俺は空気でも何でもいいよ。」 と言って、真は水菜をギュッと抱き締めていた。
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