エターナルの最終兵器

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平穏な日々が過ぎて…朝からフロアにも響くエタエモ社長の怒鳴り声。 「はぁ?間に合わない?今頃言ってどうするんだよ!!年末年始の仕事スケジュール確認の為の会議しただろ!そこでお前からの報告はなかったはずだ!俺の勘違いか?報告したのか?間に合いそうにない、もしくはギリギリになりそう、言ったか、お前?どうなんだよ!!」 社長室にも真の怒鳴り声が響いていた。 12月20日を過ぎると年末年始のお休みを前に納期を迎える仕事が立て込んでいる。 何処の会社も年末年始を跨いで仕事をしたくはないのだ。 自然と納期は12月26日から28日に集中する。 そこで15日に会議をして、年末の納期に間に合いそうにないチームや個人には報告をしてもらい、手が空いた人をヘルプさせるというスケジュール確認をしていた。 が……何年かに一度、プライドなのか読みが甘いのか、出来ると思い報告しない人がいて、間に合いそうもないと一週間を切った頃に社長に報告に行く人がいる。 当然、社長に切れられる訳だけど…今年は社長も既にシステム管理と納期の3つを持っていて、いっぱいの状態で切れ方がいつも以上だった。 「うわっ…かわいそ…。」 「言わないからだ。会議であやしいって言ってればあそこまで怒鳴られはしないよ。社長の身になれば当然だろ?」 ボソボソと会話が聞こえる中、また社長の怒鳴り声が聞こえて多分、コーヒーカップが割れる音が響いた。 フロアの端にいた高橋は階段を上がろうと、足を踏み出した。 「高橋さん、私が行くわ。」 肩に手を置かれて止められ、振り返ると石原がいた。 「いや…でも…。今日は酷いですし…。」 「大丈夫よ?流石に殴る事まではしないから…それに私の責任でもあるしね。」 そう言うと軽く会釈をして石原水菜は階段を上がって行った。
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