新しい年

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最終的に社長の手を借りて、全ての仕事を納期に間に合わせて、エタエモは無事に一年を終えた。 「お疲れ様!!全部終わったぞ!!」 社長のチェックを待っていた社員はその声で歓声を上げる。 「終わったー!」 「お疲れ様!」 「良かったぁ!」 様々な声が飛び交う中、水菜はギリギリ間に合わないと思っていたまだ若いSEに声を掛けられた。 「ご迷惑をお掛けしました。聞き取りされたのに、出来るって進行状況を正確に伝えませんでした。それなのに自分のミスだと社長に言って下さって…ありがとうございました。」 頭を下げられて水菜も首を振った。 「進行状況を見破れなかった私のミスです。その前に聞いていた状況と比べて予想も出来たはずで、おかしいと思ったら何度も聞きに行くべきでした。あなたがしつこいって本当の事を言いたくなる位…今度からそうさせて頂きますから、覚悟して下さいね?付き纏いますから!」 「はい!来年もよろしくお願いします!」 「こちらこそ…。」 笑顔で挨拶をして、水菜は階段の上を見る。 廊下の柵に体を預けてフロアを見下ろしながら、真はそのままそこにいたので、ゆっくりと階段を上がって行った。
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