新しい年

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「いいの?空気で?」 微笑んで水菜は訊き返す。 「ひどいみたいに聞こえるけどさ、考えたら凄くないか?」 嬉しそうに真が話す。 「空気よ?存在が、空気よ?いいの?」 確認の為に強調してもう一度、訊き返した。 「考えてみろよ、水菜。確かに空気は見えないから、いても見えないって意味だろうけど、空気なかったら死んじゃうんだぞ?それさ、俺がいなかったら水菜は死んじゃうって事だろ?絶対!俺必要って事だろ?俺にも水菜は絶対、必要!!側にいないと死んじゃうからな?でっかい顔していてくれよ?」 水菜の顔がポカーンとした表情から、少しずつ口角が上がって行く。 「うん…。側にいる。真が…嫌がっても、いる!もう、引かないし逃げない!子供達の為にももう逃げない。真とは正面から打つかる!」 「おう!ドンと来い!!」 胸を叩いて言うから、真の胸に頭をドン!と水菜は付けた。 「………あの、ね?忙しくてまだはっきりとは何だけど?多分、ていうか……間違いないと思うんだ、よね?統括マネージャーは聞き取りだけしたら在宅でも出来るし、ビデオ通話?あれでね聞き取りも出来るから産まれる当日まで仕事は調整出来ると思うし……反対かなぁ?」 真の胸に頭を付けたまま、水菜は小さな声で話した。 「水菜?えっ?仕事、在宅?え?産まれるって…えぇぇえぇぇぇぇぇ!!びょ、病院行くぞ!!」 「え?もう28日!病院終わってるし!年明けに行くから!大丈夫だから!まだ1か月位だから!!ね?」 慌てて真から離れて顔を見て言うと、真は嬉しそうな顔をしてデレデレで水菜に抱き付いた。
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