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「分かりました。秘書室長としてお答えします。石原は有給休暇をあまり使っていませんでしたのでひと月は残っています。本人から全て使いたいと連絡を貰っています。社長には新しい秘書も入りましたので倉田が休みの間は私がサポートとして入らせて頂きます。石原はそのまま退職になります。」
(うわ…マジか…。)
真は天井を見上げる。
そこまで嫌われたのか…あれだけで…と絶望感に襲われる。
上を向き、下を向いて目元に手を当てた真を見て、梨香は大きく息を吐いた。
「次いでに言わせて頂くと、社長は大事な事をお忘れの様です。石原からは離婚の二文字も聞いております。社長の側を離れたいそうです。」
「何で!!」
思わず大声を出した。
「あの金髪美人はセフレ…でしたよね?私の記憶では特に仲の良い方でプライベートルームは勿論、ご自宅にも泊まってましたよね?昔の事になりますが…引っ越しの際に出て来た持ち物の中には彼女の物も多くあったのではないですか?石原もその辺りは感付いているかと思います。女の感は怖いですよ?」
「…セフレだった事、話したのか?」
「社長?そんな事、口が裂けても申せません!ほんとーに宇宙馬鹿!!水菜は離婚した方が幸せになれるわ!あんたからがっぽり!養育費も慰謝料も水菜に協力して取ってやるから覚悟してなさい!!」
すごい目で睨んで梨香は部屋から出て行った。
「えぇ〜!あれだけで?俺が何したって言うんだよ…。」
ただただ、呆然とした。
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