復活!攻防戦

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「真……七瀬さん、外で…お願いします。」 エプロンを外して上着を着て真の前に来ると、それだけを言い先を歩いて外へ出て行く。 (七瀬…さん。) ショックを受けながら後を付いて行く。 外の商品搬入口の様な所に連れて行かれて、自販機がある前に水菜は立ち、自販機から缶コーヒーを買い、ひとつを二メートル程離れた場所の真にふわっと投げた。 「おわっ!」 驚いて受け取る。 「何でしょうか?お話。」 冷たい口調に少し怯んで唾を飲み込んだ。 「あ、の…社長として来た。有休消化は分かるが正直困る。退職も許可出来ない。」 「今川室長からはフォローに入るから問題はないと聞いております。退職許可できない、などという話も聞いた事はありません。」 (こ、これはマジで辞める気だな…ヤバイ…どうする?どうする?) パニックになった頭で冷静になろうと努力する。 「お話、終わりですか?では…。」 「ま、まだだ!就業規定違反だ!」 「は?」 突然の真からの言葉に水菜は足を止めて元の位置に戻る。 「うちは副業禁止だ!」 「副業ではありませんし、有休消化中で…」 「副業だ!まだうちの社員だ!有休消化中という事は社員だ。社員がバイトしている、これは副業だ!」 水菜の言葉を遮り言い切る。 これが言い掛かりである事は真も分かっていた。 エターナルエモーションでは副業を禁止していないからだ。 「……分かりました。では直ぐに就業違反でクビにして下さって結構です。」 落ち着いた水菜の声が聞こえると真は必死になった。 真vs水菜…攻防戦が開始された。
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