会わせて。

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幸人は真の机にお尻を半分載せたまま、話を続けた。 「離婚して日本に戻って来て、やっぱりセフレだった真が一番良い!!ある話だよ?腕組んで歩いてるの見たけどさ、他の人にはしないよ?彼女。俺が目撃する位だから社員も見てるのいると思うし…これから沢田さんどうする?新しい窓口見つからないし、引き受けるなら続けて欲しいのが俺の希望だけど…。」 「システム開発が終わるまで…そこまでは延長する。幸人が窓口担当受けてくれたら話は早いんだぞ。」 ぶすっとした顔でキーボードを叩く。 「無理言うなよ…新規開拓で忙しいよ。適任だと思うよ?彼女、優秀だしいいと思う。ただ友人として…腕を組んで歩くのは止めた方がいい。離婚しないつもりならな?どこで見られるか分からないし誰から石原さんの耳に入るかも分からない。同じフロア、時間がずれていて顔を合わせないとしても耳には入るよ?石原 水菜もまた優秀だからね?」 「俺は離せと言っているし、マリンが勝手に組んで来るんだ!それに耳に入れるのは梨香だろ?あの野郎…。」 バンバンとキーを叩くと幸人は真の肩を叩いた。 「梨香は言わないよ?いや…言えない。今の石原さんにはね?それとマリンと呼んでいる時点でアウト!離せと言って無理にでも離さない時点でアウト。梨香の悪口は言うなよ?すげー!!いい子だぞ?」 新規開拓行く、と言い残して幸人は部屋から出て行く。 「梨香がいい子なのは…知ってるよ。幼馴染だし…。マリンはマリンだろうが!呼んで何が悪い!あぁ〜もう!幸人は昔からああいう言い方するんだよな?なんか含みがある様な…あぁ、イライラする!」 バン、とキーを押して返事も聞かずに言う。 「ピーピー。」 「コーヒーお願い。」 『畏まりました。終わられたならスケジュール確認、宜しいでしょうか?』 水菜の声にホッとしていいよ、と答えた。 三人の秘書がいつもより遅いスケジュール確認に来て、戻る時に水菜に声を掛けた。 「あのさ、この間の…サードのアプリ…印刷されたの置いてくれた?」 「はい。帰る前に倉田にお願い致しました。」 「えっと…説明を再度、聞いてもいいか?」 水菜以外の秘書が二人いるから、慎重に言葉を選んだ。 「前向きにご検討頂けるのですか?」 少し嬉しそうな水菜の反応にカチンとしたが、さらなる野望があるから耐えた。 「うん、検討しようと思う。説明頼める?」 「はい。」 倉田と佐藤が下に降りて行くと、水菜は机の前に来て説明を始めてくれた。
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