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目の前に立つ水菜を真はジーっと凝視める。
「………あの、お話はなんでしょうか?」
余りに見つめられて恥ずかしくなり、水菜から先に口を開いた。
「あ!そうか!ごめんごめん。あのさ……海にはね、会えてる。託児所に会いに行けるし…空と真夏はどう?変わりない?」
聞かれて、水菜も優しい顔付きになる。
母親の顔だ。
「元気です。空は真夏の面倒もお手伝いも良くしてくれます。」
「そうか…。それで……その、会わせてもらえないかな?だってさ、離婚した訳じゃないし会えないのは空と真夏も寂しいだろ?もう一週間会ってない。父親だよ?会いたいよ。駄目…かな?」
「今、マンションに連れて行くと帰れると子供達が期待してしまいます。だから……。」
(家に連れて来るのは無理、水菜の家も知られたくないから嫌かな?)
水菜の様子を見ながら考える。
「日曜日に…ここに連れて来るのはどう?お昼、外に食べに行こうよ。9時にここで待ち合わせ。子供達とここで少し遊んでお昼食べに行ってそこでお別れ。それならいいだろう?どう?」
真の提案を水菜は少し考えてから顔を上げた。
「…分かりました。それなら…子供達を連れて来ます。」
パァァァァァァと真の顔が輝く。
(い、よっしゃぁぁぁ!! 家族で仲良く団欒して元通り大作戦!!)
「ありがとう水菜!楽しみにしてる!」
「いえ…。子供達も会いたいと思うので…。お気遣いありがとうございます。」
秘書らしく最後は一礼して、水菜は戻って行った。
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