依存

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唖然としながら水菜を見る。 (俺嫁最高!水菜最高!喧嘩してても俺の心配してくれるんだな…。) と、考えながら水菜に向けて言う。 「知らないうちに水菜にはいつも助けられているんだな。」 ため息を吐くと、水菜は首を振る。 「今回の事は真にも反省して欲しい点はあるけど、悪いのは私。信じてるのに悪い想像ばかりして真からいらないって言われるのが怖くてその前に逃げたの。予防線を張ったのよ。私、いつも逃げてばかりなのよね?目を背けてお見合いの時も断る事が出来ないと思って逃げて、その後も話もせずに逃げて…。真からも逃げたわね。」 大きく息を吐いて、水菜は台所に行き変わらずそこに立った。 水を流し、手を洗いながら話す。 「弱いのよ。結局…いつも逃げてばかり。だからいつまでもトラウマから解放されない。」 こんな弱い母親じゃダメなんだわ…と呟いて、食事の支度を始めた。 食事を楽しく終えて、真は子供達とお風呂に入り幸せを満喫して、海と真夏を寝かしつけていると、寝室のドアが開いて空が入って来た。 「お父さん、お母さん、ぼくもここでねてもいい?」 「いいよ?おいで!」 真夏の横を真がポンポンと叩くと嬉しそうにベッドに入った。 海は寝室に置いたベビーベッドに寝ていて、真夏はキングサイズのベッドの中央に眠っていた。 布団に入ると疲れていたのか、安心したのか空は直ぐに眠ってしまった。 「借りてた部屋はワンルームだったから、急に一人で寂しかったかもね?」 眠る空を見て水菜が言い、ベッドを背に足元辺りの床に座り二人で眠らずに話を始めた。
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